農薬使用と輪作

なぜ、農薬を使うのか?1例です。

左上の写真はコナガという害虫に食べられているキャベツです。葉裏を見ると美味しそうの食べているのがわかりますが、ほっておくと1週間もしないうちに葉っぱが網のようになり、新芽まで食べられてしまえば
もうキャベツにはなりません。この1つのキャベツにコナガは4匹いました。
右上はアブラムシです。これもほうっておくと葉が丸まってきます、栄養を皆吸い取られもちろん大きくなりません。

これを無農薬で作るとなると膨大な手間がかかり、収量も7割くらい落ちるのではないかと思われます。キャベツ最低1個500円くらいで売れなければ農家は食べてはいけないでしょう。そうなれば値段の安い輸入野菜のわけのわからない農薬を使ったものが氾濫すること間違いありません。

農薬使用について

生産者は誰しも、生産者自身の健康に関わる農薬など散布したくはありません。
また、農薬代が経営のコストのかなりのウエイトをしめているので、農薬を減らすことは
経営改善につながります。しかし、わかってはいるのだけれど虫がウヨウヨしてるキャベツが
スーパーなどで売れるかというと、かなり敬遠されること間違いなく、現実にほとんど売れません。
また、病気になったものをそのまま伝染するのを放っておけるわけはなく、最低限の農薬使用は
いたしかたないというのが園主の考えです。

 

2003年の散布は、例年になく寒く雨が多かったため、虫より病気が多発しました。登録農薬問題で昨年まで使用していた薬が使えなくなったりで苗を病気にさせたりしてしまいました。あとはジャガイモの病気が長雨冷夏で止まらずにいつもの倍近く防除しましたが、結局ほとんど病気で倒れて枯れてしまいました。今年はNHKさんが農薬番組の取材に来たりで自分でも勉強させられることが多かったと思います。取材ではJAの減農薬、減化学肥料のことが中心で薬剤散布もやはり回数ばかりに目が行くけれど、濃度でも減農薬していると答えたりしましたがはたして放映されるかなあ・・・。


2002年の農薬散布について(8月30日現在)

輸入無登録農薬が問題になっていますのでシーズン中ですが書きます。春キャベツは雨も少なく害虫の発生もあまりなかったので例年より少ない防除回数で収穫にもっていけました。やわらかキャベツは梅雨の多雨とそのあとの猛暑の温度差などで軟腐病で壊滅状態になりました。防除回数を2回ほど増やして薬量もかけたのですが時すでに遅しで全体量の20%くらいは腐ってしまいました。さすがに腐らせすぎてかなり悩んだのか胃が痛くなってしまいました。何年たっても相変わらず野菜作りへたくそです。キャベツは8月中旬までは例年くらいでしたが、半ばすぎは雨が少なく高温だったため害虫がうわーっとわきました。この頃は2回くらい余分に害虫の防除をしました、逆に病気の心配は少ないのでこちらは減らせましたが・・・。

2001年の農薬散布ですが、8月までは通常の濃度で使用していた殺虫剤を鎌田バイオエンジニアリングさんの磁気システムを散布機にとりつけてから通常の濃度の半分に削減することができました。まだ農薬の種類により試験中ですが種類によっては環境にやさしく、かつコストダウンができるという結果がでています。また、害虫は化学肥料の過多でチッソ過多による硝酸の濃度がたかいとたくさん発生するのですが当農園では堆肥と有機化成肥料のを使用することにより、かなり硝酸をコントロールできるようになりました。

輪作について

人間が同じ食べ物ばかり食べていると栄養がかたよりますが、野菜などの作物も同じ畑に毎年同じものを作っていると栄養がかたよります。土のバランスが崩れるからです。これが連作障害です。人間と同じように足りない養分を足して吸収しやすいようにしてあげたり、同じ作物を作らないようにすれば改善されている例もあります。これが輪作です。
私もいろんな作物を作っていますが、作物が違ってもその菌が各作物のステージで病気を起こすといった嫌な連作障害もあるためにまだ思考錯誤しながら土作りしているというのが現在の段階です。H14年度